中平の庭

2021年 春

1 中平の庭 2021年 春

はなみずきの新芽 ココ.シャネルの言葉 私のような大学も出ていない年をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つの名前を知れば、世界の謎がひとつ解けたことになる。その分だけ人生は単純になってゆ…

2 クリスマスローズ  と  岸田矜子の詩

花のかず ひとは行くところがないと 花のそばにやってくる 花は 咲いているだけなのに 水は ひかっているだけなのに 花のかずを かぞえるのは 時をはかる方法 ながれる 時の長さを ひとは 群れからはなれると 花のそばへやってくる 花は 黙っているだけなの…

3 クリスマスローズ なぜ 花はいつも

なぜ 花はいつも なぜ 花はいつも こたえの形をしているのだろう なぜ 問いばかり 天から ふり注ぐのだろう 岸田矜子

4 クリスマスローズ 春の朝

春の朝 (あした 上田敏 訳) ブラウニング 時は春、 日は朝、 朝は七時、 片岡に露みちて、 揚げ雲雀(ヒバリ)なのりいで、 かたつむり枝にはい、 神、そらに知ろしめす。 すべて世は事も無し。 9

5 クリスマスローズ 朝ごとの希望の合図

クリスマスローズ一輪 風吹けばうなじ動かし 日照ればため息つく かぐわしい春のクリスマスローズ 疲れた私 私のためにの 朝ことの希望の合図 三好達治「山果集」薔薇 を改作 クリスマスローズの詩がみつからないので 0

6 水仙 I Wandered Lonely as a Cloud

水仙 水仙 谷また丘のうえ高く漂う雲のごと、 われひとりさ迷い行けば、 折しも見出でたる一群の こがねいろに輝く水仙の花、 湖のほとり、木立の下に、 微風に翻りつつ、はた、躍りつつ。 ワーズワース 田部重治訳 0

7 椿 万葉集の歌 

万葉集に椿の歌は2首 みもろは 人の守る山 もとへはアシビ花さき すえへは椿花咲く うらぐわし やまぞ 泣く子守る山 作者不詳 13巻 みもろ 三諸 奈良地方の地名 守る 大切にする もとへ 麓 ふもと すえへ 末辺 高地 うらぐわし 霊妙 もう一首は大伴家持の…

8  ひともとの梅の花 おおボン・ジュウル 三好達治の詩

白梅花 三好達治 海のほとり 小山のかげ 今日もその農家の庭に ひともとの梅の花 おおボン・ジュウル 今日はまた 昨より日も美しい 君の木影へ 野菜畑の小径を行かう 0

9 万葉集 大伴旅人の和歌

わが宿に 盛りに咲ける梅の花 散るべくなりぬ 見む人もがも 大伴旅人 「散りそうになった 見る人があれば良いのに」 と読むのだそうです。 見る人(老人である私)も散ってゆく とよんで選んだのですが・・誤読は楽しい。ワカラナイのも楽しい。安っぽい説明…

10 スノー・フレーク  村野四郎の詩 花

花 村野四郎 いちりんの花をとって その中を ごらんなさい じっと よく見てごらんなさい 花の中に町がある 黄金にかがやく宮殿がある 人がいく道がある 牧場がある みんな いいにおいの中で 愛のように ねむっている ああ なんという美しさ なんという平和な…

11 ハナミズキ  陶淵明の春の詩

諸人共遊周家墓柏下 陶潜 今日天気佳 清吹与鳴弾 感彼柏下人 安得不為歓 清歌散新声 緑酒開芳顔 未知明日事 余襟良以尽 諸人とともに周家の墓の柏の下に遊ぶ 今日 天気よし 清吹と鳴弾と 柏の下の人に感じては どうして歓を為さざるをえないだろうか 清歌に…

12 欅 金子光晴の詩 若葉 

森の若葉 金子光晴 なつめにしまっておきたいほど いたいけない孫むすめがうまれた 新緑のころうまれてきたので 「わかば」という 名をつけた へたにさわったらこわれそうだ 神も 悪魔も手がつけようがない 小さなあくびと 小さなくさめ それにちいさなしゃ…

13 桜 中唐 劉禹錫の春の詩

天白川の桜 天白川にふさわしい詩 ・・・・ ( クルシイ しかしコロナ禍の今 ステイホームの国策の下 わたしが散歩できるのは天白川だけなのだ) 波が砂を洗って 劉禹錫 川は東に流れ 虎の目のような水紋をつくる 朝の水の色は鴨の頭の毛の深緑 見てごらん …

14 パンジー  杜甫 春夜の雨の詩

15 シクラメン ♪ 小椋佳の歌 ♪

シクラメンのかほり 小椋佳 うす紅色のシクラメンほど まぶしいものはない 恋する時の君のようです 木もれ陽あびた君を抱けば 淋しささえもおきざりにして 愛がいつのまにか 歩き始めました 疲れを知らない子供のように 時がふたりを追い越してゆく 呼び戻す…

16 エンドウ 遠藤周作「石の声」

あなたはこのWebページで芸術にめざめていく? なぜなら、ある芸術家が芸術家として目覚めさせられ、成熟していくのは、彼の実人生によるものではなく、他人の芸術的作品を通過することによってであるからだ。私たちは実人生の途上で病気をし、戦争にくるし…

17 チューリップ と ブライダルブーケ と 三好達治の詩

チューリップ 蜂の羽音がチューリップの花に消える微風の中にひつそりと客を迎へた赤い部屋 三好達治『間花集』

18 calla  カラー  谷川俊太郎「二十憶光年の孤独」から

春 谷川俊太郎 かわいらしい郊外電車の沿線には 楽しげに白い家々があった 散歩を誘う小径があった 降りもしない 乗りもしない 畠の中の駅 かわいらしい郊外電車の沿線には しかし 養老院の煙突もみえた 雲の多い三月の空の下 電車は速力をおとす 一瞬の運命…

19 むくげ 堯舜の時代から

うちの垣根 柘植が枯れたところは槿になっています。 ムクゲは 遠く 中国の古代王朝のころから愛された植物です。 理想の時代 堯と舜 舜とはムクゲ。 諸橋大漢和辞典 舜帝の奥様がムクゲちゃんで むくげの歌は天下泰平の歌 と諸橋大漢和辞典にあります。上掲…

20 フリージア 夢とうつつ

うつつと夢と 三好達治 「花筐」はながたみ ーー この書ひと巻のあとに うつつを夢と観ずれば 夢やうつつとなりなまし あへなきうたの花がたみ 花ことごとく散りてのち

21 蔓日日草 つるにちにちそう